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機械式時計のムーブメントの精妙さと美

機械式時計は巻き上げたゼンマイがほどける力を動力源とした時計である。腕時計の場合はケースの横についたリューズを回してゼンマイを巻き上げます。複雑に組み込まれた内部の歯車が時刻を刻み、日時の表示をし、月の満ち欠けを文字盤に表示します。ケースの表や裏がスケルトンになっていてこの複雑精妙なムーブメントを鑑賞することが出来るようになっている機械式時計もあります。日本ではクオーツ式の時計が主流ですが、ヨーロッパでは今でも機械式時計の愛用者が多いようです。時刻を告げる精度においては機械式時計はクオーツ時計に劣るかも知れませんが、現在の時計の機能のほとんどは機械式時計の技術者たちが生み出してきたものだと言ってよいでしょう。現在でもなお歴史ある名門の時計メーカーはそれぞれが珠玉の芸術品でもある機械式時計を生産販売しています。機械式時計は高級時計のシンボルでもあるのです。現在世界最高峰の高級機会時計メーカーのパテック・フィリップ、オーデマ・ピゲ、ブレゲなどの高級機械式時計はその性能もさることながら、それぞれの製品のもつ宝飾品としての凛とした美しさは王侯貴族の身を飾るにふさわしい高貴な美をたたえています。

機械式時計のオーバーホール

僕の昔の友達に中学生の頃に父親をなくしたやつがいた。そいつの話では母親と子供二人が残されて将来自分が家を支えていかなければならないという意識があったのか、雑誌か何かで見た時計修理の通信教育を申し込んで勉強した、ということだ。結局その勉強は長続きしなかったようだが、そいつの部屋にはその頃の時計修理のためのドライバーやピンセットなどがまだ残っていた。彼がなぜ途中で時計修理の勉強をやめたのか聞かなかったけれども、もし彼がその勉強を続けていたら結構一流の、腕は達者だが、妥協を許さない一徹な時計修理職人になれていたのではないかと思う。機械というものは永久に放っておいても変わりなく動いてくれるものではない、年月がたてば油切れ、接触部分の磨耗、ネジの緩み、部品の劣化、などがどうしても起こってくる。機械式時計を愛好するものは何年か置きに時計のオーバーホールをしてやらなければいけない。それが機械式時計を愛する者の最低の義務である。具体的には初回は4年後、以後3年おきにオーバーホールすることが必要だ。たとえ使用していなくても、現在使用されている潤滑油は4年で経年劣化してゆくからだ。信頼できる時計職人が要る。

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トゥールビヨン、精密機械式時計の精度

BSジャパンのスペシャル番組「トゥールビヨン、時の仕掛け人」で紹介されていたスイスの機械式時計メーカーの技術やその製品に感銘を受けた人も多いでしょうね。この番組をきっかけに機械式時計のブームが起こるかもしれません。そこで紹介されていたトゥールビヨンとは何か?これは機械式時計界のレオナルド・ダ・ヴィンチといわれるブレゲが18世紀末に発明した時計の向きによる誤差を自動的に修正する機構です。機械式時計はその仕様状態が縦か横かで歯車にかかる重力が微妙に変わり誤差が生じるのですが、その誤差を修正するのです。これは非常に細かく複雑で、高級な精密機械式時計のみに搭載されている機構です。18世紀初頭イギリス議会は日差にして3秒という精度の時計に2万ポンドの賞金をかけたそうです。それは自国の艦隊が位置を正確に知るためにはそれくらいの精度の時計が是非必要であったからでした。それに成功したのがジョン・ハリスンの作ったマリンクロノメーターでした。一方フランス海軍のマリン・クロノメーターの製造業者として有名なのがブレゲです。このブレゲの遺産からヒントを得て作られた時計が現在の「マリーン」シリーズです。

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